保育者養成校における最近のトピックス その1
資格取得に向けた履修科目等の概要紹介

 国内で幼稚園教諭免許(一種・二種)/保育士資格取得を希望する者は、管轄の各省が指定した養成課程を修了する必要がある。その大半は全国にある保育者養成校に入学し、所定の科目を履修し免許を取得する。現時点では国家試験は実施されていないので、入学した養成校のカリキュラムを履修すれば、卒業と同時に免許/資格の取得が可能である。専門学校/短期大学/4年制大学が共存しているが、免許/資格取得に必要な履修科目は概ね同じである。
 履修科目の概要は、主に学内で実施される①講義科目 ②演習科目 ③実技科目と、④免許/資格に要する各現場実習複数回 に大別され、各所管省からは、設置科目やその内容、授業総時間、予習/復習時間も指示されており、欠席許容回数(半期間に1コマ90分授業×15回実施の場合、10回以上の出席が必須)も厳格に提示されている。
 履修科目とその授業概要は、各所管省から要領/指針として提示される。要領/指針は時代に即した内容を鑑み一定期間を経て改定が実施され、直近では平成29年3月31日に改定、平成30年度から実施となった。授業内容は、シラバスにより学期当初の開示をおこなう。提示項目は年々増え、様々な授業形態の実施、連携の視点の記入も求められ、つまり、教員は、授業毎に、学生に最適な多様な工夫を組み込んだ授業展開を求められる。さらに、全履修科目の関係性の可視化/学びの全体像と、各科目が担う役割の記載も求められる。下記の資料は、筆者の勤務校のカリキュラムマップ(2019年度生用)である。
 

和泉短期大学教授 井狩芳子