たくさんの自然に触れることができるように

 

 私が働くにこにこ保育園は神奈川県県央の秦野市にあります。園の周りには住宅が増えてきましたが、まだまだたくさんの自然が残っており、ダンゴムシ、テントウムシ、カタツムリ、セミ、カブトムシ、クワガタムシ、トンボ等に触れることができます。また、ホトケノザやツツジの蜜を舐めたり、キイチゴ、クサイチゴ、桑、スダジイ等の実を味わったり、つくし、よもぎ、銀杏、マテバシイ、やまいも等を園に持ち帰ってよもぎ団子やクッキー等を作ったりしています。また、畑でジャガイモやサツマイモも栽培し、収穫後は焼き芋を楽しんでいます。
 このような自然に直接触れる体験で、保育所保育指針にある「自然の大きさ、美しさ、不思議さを全身で感じ取る体験」や「季節により自然や人間の生活に変化があることに幼児なりに関心を持つ」ことができます。子どもたちが進んで図鑑や絵本等で調べる姿を見ていると、子どもたちの中に好奇心や探究心、思考力、科学的な見方や考え方の芽生えを培う基礎が育っているのを感じることができます。ですから保育者はできるだけ子どもの気づきに共感したり、一緒に考えたりしながら興味が深まるようにしています。
 豊かな自然の中での散歩も重要な活動のひとつです。1歳児は園庭でたっぷりと体を動かし、2歳になると園を出て、近くの広場や緑地、林などで走ったり跳んだり、斜面を登ったり転がり下りたりして遊びます。3歳を過ぎる頃からは散歩の行き先を広げ、距離を伸ばしています。歩き方もかなり上手になります。合わせて交通安全の指導も丁寧に行うようにしています。
 こうして4、5歳ともなると園から遠く離れた場所の自然にも触れることができるようになります。子どもの体力に合わせて速度を上げたり、疲れ具合に応じて速度を調節したりしています。園から3キロのところにいるアルパカに会いに行くのは子どもが楽しみにしている活動の一つで、また、5歳児クラスの秋には標高1,252メートルの大山登山にも挑戦しています。一緒に登る親が感嘆の声を上げるほど子どもに体力がついています。
 これからも子どもがたくさんの自然と触れて遊ぶ中で感動する体験を広げ深めることができるよう、また自然環境を取り入れて体を動かして遊ぶ体験を増やせるよう、園全体で取り組んでいきたいと思っています。
 

にこにこ保育園 岡本学