障害は自分にあり

 私は、体育短大を卒業し地元の地域で、運動やスポーツを30年以上指導しています。以前は新体操競技を中心に小中学生達の競技スポーツを指導していて、結果を優先していたこともありました。でも、わが子に、発達の問題があることがわかり、今の自分の指導のあり方を足元からガラッと変えるようになりました。
 我が子の特徴は、目線が合いにくい、自分の興味のあるものには集中しすぎてしまう、切り替えが難しい、言葉の意味を理解しにくい、一度に二つの事を処理する事が苦手、だったりでした。まさか、自分の子の子育てで、こんなに大変になるとは、思ってもみませんでした。でも、わが子は逆に、数字や記号を憶えるのは得意だったり、面白ければ、ひとつの事に繰り返し遊ぶことはできる事に気がつきました。
 『ならば!!』と、言葉のかけ方を工夫したり、ワクワクして興味をもって、集中して最後まで諦めないで取り組ませるには、どうしたらいいんだろうと試行錯誤したお陰で、自分の指導のあり方を一から勉強するチャンスをもらい、それが、今の指導に繋がっていったのだと思います。
 一言で『障害』といっても様々で、私が黙っていても、指示の前に次の段階の遊びを自分なりに見出していく子もいれば、指示がよく解らないと、別行動をしたり、自分の唾を出して、塗りたくってしまう子もいます。それぞれの子の特徴やシグナルがわかってくると、切り替えの音の種類や、音楽、見せる角度や面、運動強度、複雑さ、間の持ち方等、日々の指導のたびに、逆に学ばせてもらっています。 
 障害の有無に関わらず、子どもは皆遊びたいけれど、子どもと遊べない大人たちもいて『悪循環』にもなっています。子ども達から、遊ぶ機会を奪ってしまったのは、大人たちなのではないのか?といつも思っています。最近は、発達障害に対しての早期に療育をできるシステムが進んできましたし、指導に携わっている方も増えてきているようにも思います。私は、指導力がまだまだの自分のスキルアップも兼ねて、この『幼少年体育指導士』の講習会を受講しました。
 現在は、エアロビックを中心に、小さなお子様から高齢の方までの指導の幅広げをさせて頂いています。健康で明るい未来の為にも、健康な体作りができるお母さんを増やす仲間作りをしています。食事、睡眠、運動の大切さを伝えることや、女子のリーダーシップを育てることで、後継者も育ててもいかなければならないと、地域の中の指導者達でネットワークづくり活動を始めています。
 子どもは、大人のミニチュア版ではないので、繰り返すことも大切ですが、『遊びをシャワーのように』『飽きることのない様に』次々と、たくさん仕掛けていきたいと思っています。一人の大人としての責任を果たすために。
 

スタジオピュアハート代表
いわき市スポーツ少年団本部
理事 秋山 里美
(2016年度冬認定講座受講)