すべての子ども達の能力を引き出したい!笑顔をみたい!

 

 私は7歳から大学まで、器械体操の選手としてインターハイや国体出場するなど体操一筋の人生を送ってきました。大学では、体育・スポーツ科学などを学び、教員免許を取得。卒業後、大手スポーツクラブの体操の指導者として多くの子どもたちを育成し、その経験を経て、2005年に幼児からの体操専門教室『ジュンスポーツクラブ』を設立しました。
 しばらくは、選手の育成に没頭していましたが、たくさんの子ども達が体を動かす事への喜びを感じ、体操選手の技に魅了され憧れを持っていることを感じました。体操を始めた頃、自分のからだを上手く操れた時の達成感が甦りました。体操を通して、「子ども達が本来持っている力を引き出し、眠っている可能性を伸ばし、笑顔にしたい」と思い始めた時に、発達に障がいがある子と出会いました。初めは、広い体育館に戸惑ったせいか、私の声に耳を傾けず、ただ自由に走り回っていましたが、行動を共にする事で、私を受け入れてくれるようになり、コミュニケーションをとりながらトランポリンなどを笑顔で楽しむ事が出来るようになりました。私はこの経験をきっかけにより多くの子ども達に運動の楽しさを伝えたいという思いで、児童発達支援・放課後等デイサービス「ジュン・ハート」を設立しました。子ども達が週に何度か施設に通い、数時間過ごす中で、体操の時間を設けて体を動かす事の楽しさや技術などを身につけています。ジュン・ハートでは、幼少年体育指導士で学ぶ、幼児期に身につけたい36の動きを中心に体をバランスよく成長させる事を目標にしています。基本の動きを正確に身につけていくことが、スポーツだけでなく日常生活に繋がっていくからです。私が何より大切にしていることは「からだを動かすことが楽しい!」と思うことです。だから、私たちは一緒に走り、転がったり、遊んだりします。楽しい気持ちは、継続に繋がり、挑戦する心を生みます。「できた時の達成感」この成功体験の積み重ねを糧に、日々子どもたちと関わっています。
 年々、子ども達の生活環境が変化している中、運動あそびも昔と今とではとても変化しています。同じことの繰り返しでは、近頃の子ども達はすぐに疲れて飽きる傾向があります。常に指導する側が、子ども一人ひとりにあった、指導を提案し実行することが重要です。指導者に求められるのは、「自らが学ぶこと」「実行すること」「子どもと楽しむこと」だと思います。多くの子ども達が運動の楽しさを経験し、本来もっている能力を引き出し、成長する手助けができたらと思っています。
 障がいがあるからこんな事ができたら「すごい」だけではなくすべての子ども達の〝できる・笑顔になる〟を目指し、個性を持った多くの子ども達に、一緒に楽しめることを発信していきたいと日々考えます。
 

ジュンスポーツクラブ ジュン・ハート
村重 欣延
(2016年度冬認定講座受講)