睡眠時間が大切であることはわかるのですが、子どもにとって必要な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?

 米国のNational Sleep Foundationは、各年代における推奨睡眠時間を発表しています。それによると、0~3カ月児は14~17時間、4~11カ月児は12~15時間、1~2歳児は11~14時間、3~5歳児は10~13時間、6~13歳児は9~11時間となっています。
 ただ、本当に必要な睡眠時間にはかなりの個人差もあります。そのため、この問いに関する明確な答えはありません。真の答えはそれぞれが探さなければならないのです。そこでここでは、必要な睡眠時間を知るためのポイントを2つご紹介します。
 1つ目は、「日中のねむけ感や元気度」です。当然ですが、夜間の睡眠が足りていなければ、昼間に眠くなってしまいます。つまり、保育中や授業中に眠くなってしまったり、元気が出なかったりといったことの原因は、夜間の睡眠不足に起因しているとも考えられるわけです。まずは、それぞれの子どもの昼間の様子を指標にして、この点をチェックしてみてください。
 そうはいっても、夢中になって遊んでいるときは自然と眠くなりません。ですから、このポイントだけでは不十分です。そこでオススメしたい2つ目のポイントが「平日と休日の睡眠時間の差」です。そもそも、平日はお母さん、お父さんの帰宅が遅くなってしまう場合もありますし、子ども自身が忙しい場合もあります。そうなると、どうしても寝る時刻が遅くなってしまいます。でも、園や学校がある平日は、起きる時刻を遅くすることはできません。結果、睡眠時間が短くなってしまうというわけです。でも、休日前はどうでしょうか? そもそも、次の日はお休みですから、ゆっくり寝ていられます。つまり、寝る時刻が遅くなっても、その分あるいはそれ以上に起きる時刻を遅くすることができます。結果、睡眠時間が長くなるというわけです。このような状況は、平日の睡眠が足りていないことを教えてくれるということなのです。
 いかがでしょうか? まずは、それぞれの必要睡眠時間を知ることからはじめてみてくださればと思います。
 

(回答者)
日本体育大学体育学部
教授 野井真吾