こどもを育む環境 蝕む環境

仙田満著
朝日新聞出版

   

私たちは子どもに何ができるのか
非認知能力を育み、格差に挑む

ポール・タフ著 高山真由美訳
英治出版

 
認定講座では「幼少年期の運動遊びの現状と指導上の配慮」という講座を担当しています。講座の中では、今の子ども達の体力の現状から、実際の指導にあたって考慮して欲しいことを話させていただいています。その中で、遊び空間の話を少しさせていただいています。講座のテキストにも少し紹介していますが、スペースの関係上わずかしか掲載していません。けれども、遊び空間に関しては、実は多くのことを考えさせられます。中でも、私が非常にインスパイアされているものの一つに仙田満先生の多くの記述があります。ここで紹介している著書は仙田先生の最新刊であり、子どものあそびと社会環境の変化との関係を様々な事例やデータも交えながら紹介しています。子どもにとって遊びはとても大切であり、体力向上のみならず、人にとって必要な様々なものを育んでくれます。そのために大人や社会が用意してあげなければいけない環境があると思います。真剣に子ども達のことを考え、研究や社会への貢献を考えていく上で、是非、知っておいて欲しい事ばかりです。そういった意味でも、仙田先生の著書は非常にすばらしいものであると思います。また、文章での紹介は残念ながらスペースの関係であまりできないのですが、もう一冊の著書に関しても、大人が子ども達のためにできることを考える上で、素晴らしい示唆を与えてくれるものだと思いますので、一緒に挙げておきました。
 

名古屋学院大学准教授
中野貴博